最初に断っておきますが、ここで書くのは理論であって、必勝法ではありません。
競馬の勝ち方や必勝法なんかは、類似したワードで検索すると、たくさんのサイトやブログが見つかりますが、「誰でも簡単に」、「たったこれだけで」というような誘い文句がある場合は、まず間違いなく詐欺です。
それと、はずれも含めて、過去の実績がトレース(追跡)できないものも怪しいですね。
パチンコ・スロットで勝つのは難しくありませんが、競馬は誰にでも簡単に勝つのは、「難しい」のが真実だと思います。
ここでは、嘘偽りなく、競馬で勝つための理論とリアルな難しさを説明します。
競馬の仕組み
集金→てら銭→分配
競馬の払い戻し金は誰のお金か?
僕ら馬券購入者のお金です。
競馬に限らずギャンブルは基本的に参加者のお金が配当金になります。
正確に書くのが面倒なので、だいたいの話ですが、馬券購入したお金は、約25%を運営者などが徴収して、残りの約75%を当たった馬券購入者のうちの的中者に分配します。
※詳しく知りたい人は、「競馬」、「控除率」、「券種」とかで検索するといろいろ出てきますよ。
分配金の多い少ないは的中票の数による
馬券購入額の約75%が分配されることは決まっているので、的中票が多ければ少ない配当、票が少なければ多い配当が分配されます。
馬券の100円=1票なので購入額が増えればその分配当も多くなります。
当たれば・・・です。
馬券の券種と配当
払い戻しの額は、馬券の券種ごとに分けています。
単勝で1000万円の配当がある場合は、1000万円が単勝の馬券購入者に、3連単5000万円なら、3連単の馬券購入者に5000万円が分配されます。
当たった人に・・・です。
要は、券種を跨いだお金の流れはないということです。
馬券を買うとオッズが下がるという基本
競馬や競輪、競艇などは、パチンコ・スロットと異なり、プレイヤーがゲームに参加しません。
なので、こちらでできるのは馬券を買う/買わないの判断と行動をするだけです。
先ほど書いたとおり、馬券の配当は当たった人の票数によって変わるので、馬券を多く買えば、配当も下がります。
つまり馬券を買われるほど配当(オッズ)は下がるのです。
オッズの重要性
どれだけ強い馬でも、配当1倍の馬には誰もお金をかけません。
競馬は、馬や騎手のファンなど、お金に関係なく楽しむ方法もありますが、性質的にはギャンブルで、お金を増やしたい思いでするものです。
そうなると、馬のオッズについてはとても重要で、これを無視した考え方では勝つことはできません。
馬券を当てるだけの考え方では勝てない
競馬予想の多くは、基本的に1着の馬、ないし馬券に絡む馬を的中させようとします。
当たらなければ配当も得られないので、勝ち馬を当てようと考えるのは当たり前と言えます。
でも、本当に当てるだけなら、オッズを無視して断トツの1番人気を選べば、的中率は誰よりも高くなるはずです。
なぜなら、中央競馬では長い目で見れば人気=入線順なので、オッズの低い馬が最も勝ちやすい馬なのは間違いありません。
では、当たりを一番多く取れれば勝てるのかというと、そうはいきません。
競馬の仕組み上、控除された残り(さっきの75%ですね)が分配されるので、的中率が高ければ、配当が低くなるだけで、投資額を回収できる理論にはなりません。
勝ち馬を当てるのは不可能
当てるのではなく勝手に当たる
競馬の予想をして、当たればうれしいわけですが、僕はこの「当てる」というのは違うと思っています。
何か特別な技術があって、馬や騎手に影響を与えることができて、これが勝ちに繋がるのなら、「当てる」という言葉は当てはまります。
でも、競馬では、馬券購入者は競馬のレース自体に影響を及ぼしません。
ただ、見て(応援して)いるだけです。
なので、正しくは、「当てる」ではなく、「当たる」のだと思います。
予想は当たっても外れても結果論
これまでのレースだったら、最後の直線で一気にマクる馬が、失速してしまった。
逆にいつもは逃げる馬が、追い込んで勝った。
競馬をしていると、予想した展開とは違う勝ち負けを目にします。
そんなとき、競馬をスポーツや競技として捉えるなら、勝因敗因の分析は必要です。
でも、あくまで馬券はお金ですから、儲けや損失の理由を説明したところで意味がありません。
・馬場が良ければ勝っていた。
・出遅れが響いた。
理由はいろいろあるでしょうが、負けは負け、馬券が当たらなかった事実は変わりません。
競馬予想といっても、厳密に当てるのは不可能
競馬を予想したら、思ったとおりの展開で馬券も当たった。
その予想した人はすごいんでしょうか?
僕はそうは思いません。
予想したといっても、
お目当ての馬が希望通り差し切って勝った。
予想していない馬が思ったとおり出遅れた。
くらいを当てただけで、10数頭の馬の内外、最後の着順、着差、タイムまで当てたわけではないですし、そんなことはできっこありません。
予想できないことを幾ら努力しても無駄
足の速い馬だから後方からマクる.
臆病な性格だから逃げを打つ。
馬の特性を生かそうとするので、こういった戦法はあまり変わりません。
でも、出遅れたり、最後の直線で内外どちらのルートを取るかなど、一瞬の判断はその時々で変わるはずです。
この判断は勝ち負けに大きく影響するはずで、とても重要ですが、予想することはできません。
なので、一瞬の判断で変わるレース展開は、仮に同じレースを繰り返せば、その都度結果も変わるはずです。
こうなると、予想は、当てたのではなく、たまたま予想した通りにレースが運んだ結果にすぎません。
馬券購入の技術介入
勝ち馬を予想するのは意味がないとすると、どうやって馬を選びましょうか?
パチンコもスロットも、普通の人がしない技術を介入させて、利益を出します。
競馬では勝ち馬予想では技術介入できないので、別のアプローチが必要です。
同じ能力なら配当の高い方を選ぶ
例えば、全く同じ戦績(戦績だけが同じ)の馬がいたとします。
この馬のオッズを予想すると全く同じになるでしょうか?
多分なりません。
強さの指標を示す戦績が同じでも、その他の要素で人気は上下します。
では、仮に強さが同じだとして、どちらの馬を買うべきでしょうか?
競馬ファンならひいきの馬を買うのも良いと思います。
でも、お金のことを考えれば、オッズの高いほうを選ぶべきです。
ちょっと単純すぎる例ですが、要は馬の能力に対して、人気があるかどうかで、当たった時の配当が変わるという一例になります。
オッズと実力はだいたい比例するけど絶対ではない
先ほどの例の様に、同じ強さの馬でも、人気は上下します。
競馬では、馬券購入の判断材料がタイムや着差のような客観的なものだけでなく、厩舎や騎手のコメントであったり、脚質の好み、極端な例だと、馬の名前がカッコいいとかも判断材料になります。
さっきも触れたように、長い目で見ればオッズの順序と入線順は比例しますが、微妙にズレが生じるのも事実です。
ズレが生じるのは、馬券購入の時、多くの人が買いたくなる判断材料を多く持っている馬は馬券的にマイナス、逆であればプラスです。
具体的には、(同じ実力が前提)前走の着順が振るわず、持ちタイムも遅く、距離適正も芳しくなく、使い詰めで、馬名がダッサイなら、買うべき馬になります。
その1頭の単勝を買えるか
では、プラスに働く判断材料を持っている馬は無条件に「買い」かというとそうではありません。
ある程度予想できると思いますが、馬名がカッコ悪いだけで馬券購入を渋る人は少ないと思います。
また、馬名はかっこ悪いけど、前走で好走していたり、その逆も有り得ます。
馬券購入の判断材料は人によって違いますし、馬によってマイナスとプラスを合わせ持つのが普通です。
つまり、1頭でいろんな材料でプラスに働く要素ばかりを持っている馬はそんなにいないという事になります。
控除率を超えるくらいプラス材料がほしい
人より僅かでも回収率を上げたいというなら、プラス材料にある程度偏った馬を片っ端から買えば結果は出ると思います。
でも、馬券を買う以上、トータルで回収率が100%を超えなければ意味がありません。
あくまで利益を出したいわけですから、中途半端な偏りでは単勝の控除率20%を埋めることはできません。
繰り返しになりますが、1レースの単勝で控除率20%を超えるくらい偏るには、かなりの馬券購入の判断材料でプラスに働いていなければなりません。
具体的な例で言えば、勝率10%で単勝8倍しか付かない馬が、「買いたくない」判断材料を多く持っていて、オッズが11倍まで偏らなくてはならないということです。
記事にすると単純ですが、不特定多数の人が参加する競馬で、オッズ3倍(11倍―8倍の差)程度偏るのはかなりレアなケースです。
複数の馬なら可能性が高くなる
1頭ではレアケースでも、複数頭なら比較的現実的になります。
1頭の場合は1頭で20%を超えるほどの偏りが必要でしたが、2頭になればその半分で済みます。
実際には複数頭の馬券は控除率も上がるので、半分ではないんですが、いずれにしても1頭だけで大きく偏った馬を探すよりも2頭、3頭で少しずつ偏った馬の方が対象が増えます。
仮に10の判断材料のうち、5項目でオッズが上がる(馬券購入を渋る)様な馬が2頭、3頭いれば、合わせて期待値を超える可能性があることになります。
つまり、競馬では単勝、複勝といった1頭の馬を対象にするよりも、連勝馬券(馬連・単、3連。単)の方が購入の対象は多くなるということです。
勝つための考え方
対象レースの選び方
常に忘れてはならないのが、オッズは相対的に動くということです。
ある馬の馬券を買えば、それ以外の馬のオッズも必然的に上がります。
分かりきったことですが、これはとても大事です。
誰もが買いたくなるような判断材料を持っている馬は実力以上に馬券を買われますが、これは裏を返せばそれ以外の馬のオッズがおいしくなることとも同じです。
馬を選ぶ時には、馬券購入を渋る材料の多い馬を選ぶことも大切ですが、それと同じくらい過剰人気になりそうな馬がいることも重要です。
レースを選ぶ際には、まず過剰人気の馬がいないかという観点で見てみるのもいいかもしれません。
人気過剰な馬は強い
人気過剰な馬は、馬券購入を検討する上で、勝ちそうな要素が揃っていることが多いことになります。
そしてその判断材料は、勝ち負けを予想する情報としては有用です。
つまり、その馬は実際に勝つ可能性はとても高いということになります。
今までの話の流れから、「人気過剰な馬が勝ってしまったじゃないか!」と思うかもしれませんが、あくまで、オッズと実力を比較した場合です。
「オッズほどは強くない」だけで、その実力はかなりのものと思ってください。
評価されない馬は弱い
人気過剰な馬の反対で、馬券購入を渋りたくなる馬はやはり弱いです。
判断材料でマイナス要素が多く、馬券購入者が「ないな」と思っているはずです。
そしてその判断材料は競馬の勝ち負け予想では正しい情報なので、その馬は勝ちにくい馬です。
ただ、オッズと比べると相対的に強いので、馬券的にはおいしいのです。
なので、「オッズよりも強いはずなのにぜんぜん勝てない!」ということになるケースは多くなります。
さっきの人気過剰の馬のケースと同様、矛盾しているようですが、競馬はオッズと実力の相対で考えることを忘れないようにしましょう。
注意!弱すぎる馬は過剰人気になりやすい
ここまで読み進めてもらうと、全然勝てそうもない馬の馬券を買いたくなるかもしれません。
前走の着順は2桁、持ちタイムは全馬中で最低、高齢馬で騎手もリーディング下位なんて馬は誰も買いません。
「こんなに勝つ見込みのない馬は誰も買わないからチャンス」
そんなあなたは完全に負け組みです。
「さっきと言っていることが違うじゃないか」
そう思うでしょう。
甘いです。
実は、馬券を購入する場合は、検討して買うケースばかりではありません。
自分が馬券を買う時のことを思い出してください。
1着や連に絡む馬は熱心に検討しますが、それ以外の馬はどうでしょうか?
軸馬に対してヒモ馬はけっこう適当に考えていませんか?
全流し、返し馬券を買ったりしませんか?
「オッズが200倍も付く」といって100円だけ買ったりしませんか?
こういう人は馬券購入者の中に結構な割合でいるはずです。
その馬は、適当な理由で買われてしまって、結果的に実力よりもオッズが下がってしまいます。
そんな理由で、単勝で100倍を超えるようなオッズの馬は、多くのケースで人気過剰になりやすくなっています。
注意しましょう。
体感的な話
ギャンブルを副業にしたいとは思っていますが、過剰に時間と労力を取られるのは本末転倒なので、膨大なデータ取りとかはしてませんし、するつもりもありません。
これまで競馬に取り組んできて感じることで、何の根拠もないことは前提にお願いします。
1番人気を中心にする馬券では利益は出ない
的中率を上げつつ、回収率も上げたいとなると、1番人気を中心に考えたくなります。
よく、銀行馬券などと称して、単勝1点台の馬に大金をかける人もいますが、これは人気過剰の馬に夢を託す方法で、理論的には最もタブーです。
一生に一度の大勝負でギャンブルをするならこの方法がベターですが、継続的に競馬をするなら絶対にしてはいけません。
さて、同じ一番人気でもオッズは1点台前半から5点台くらいまでの範囲があります。
競馬が不確定要素の多い性質上、低いオッズの馬は無条件にその価値はないと思っています。
もともと人気過剰になりやすいのは、勝ちそうな要素が多い馬で、必然的に人気になる傾向があります。
同じ額を稼ぐ場合、オッズは高い方が投資リスクを抑えられることからも、人気の高い1番人気を中心に馬券を検討するのは難しいと思います。
1番人気で、且つ、実力よりもオッズが高いケース自体がかなり稀なので、1番人気は購入対象としてではなく、過剰人気の対象として捉えた方がベターです。
超高配当の馬も利益は出しにくい
逆に人気の薄すぎる馬もお勧めしません。
前項でも触れていますが、人気の薄すぎる馬は、返しや流し馬券、高配当の魅力で買われてしまって、人気過剰になりやすい傾向があります。
それに、高配当の馬はそれだけ的中率も下がるので、当たるまで待っていると、資金が足りなくなる可能性も出てきます。
きちんと選べば、1番人気の馬よりはおいしい馬券になる可能性は高いと思いますが、競馬を副業として考える場合は、収支安定のためになるべく避けたいところです。
おすすめの狙い方
断っておきますが、個人的なおすすめであって、「勝てる」保証は一切、何も、一つもありません。
その上で、一番人気の馬が過剰に評価されるレースで、2~3番手で馬券購入を渋りたくなる馬がいるケースが魅力的です。
軸馬のオッズが一桁なら、1着の可能性も現実的で、ヒモ馬によっては配当もまずまずです。
まあ、ヒモ馬が狂ったりで、それでも当たらないんですけどね。
おわりに
競馬は控除率が高く、利益を出すのが難しいギャンブルです。
僕自身も、パチンコやスロットのようにはいかず、平均の控除率よりは好成績でも、トータルではプラスは出ていません。
こんな僕が偉そうに講釈を垂れるのはおこがましいですが、今のところ、上に書いた理論以外に競馬で勝つ可能性はないと思っています。
競馬に興味があれば、「競馬は簡単」、「誰でも勝てる」などと、いろんな言葉で競馬は簡単に儲かるような情報を見聞きするかもしれません。
冒頭でも書きましたが、競馬で儲けるのは「できない」、「無理」ではないと思いますが、控除率をはじめ仕組みから判断して、「簡単ではない」ことだけは間違いありません。
これからも、競馬に関する記事は書いて行きたいと思いますが、勝ち目がなければ「辞める」ことも大事な判断です。
お金は大事で、ギャンブルを通じて失うようなものではありません。
そのことだけは忘れずに、お金で不幸な結果にならないよう、時には自制することも考えましょう。