競馬期待値

競馬で期待値の出やすい傾向を検証します ③騎手

あなたが馬券を買うときに、騎手は検討しますか?

競馬における騎手の存在は大きく、かなりの確率で検討対象にする人が多いと思います。

一般的な予想では、勝ち馬を当てようとするわけですから、信頼できる騎手であれば馬券を買いたくなる方向に偏るのが当然です。

今回は、騎手の違いによる期待値の違いを考えてみたいと思います。

1番人気の馬に乗る騎手を想定してみる

もし、1番人気の馬を買うとして、騎手がリーディングトップであれば、安心できますよね。

では、逆に今年デビューした新人騎手ならどうでしょうか?

心配になりませんか?

前者は、

「彼で負けたら仕方が無い」となりますが、

後者は、

「本当に大丈夫か?」とか「別の馬を買うか?」と考えるかもしれません。

この新人騎手が、デビュー以来一度も勝っていないようなら、

「プレッシャーに負けるのでは?」

と馬券購入の対象から外れるかもしれません。

このように、騎手の違いは馬券に影響しやすいことが容易に予想できますし、人気騎手がオッズを下げることも間違っていないでしょう。

騎手の違いと回収率

トップジョッキーの場合

そこで、実際にサンプリングして調べてみました。

今、JRAの中で一番の人気騎手はおそらくルメール騎手でしょう。

ここ数年は、外国人ジョッキー自体が活躍しすぎて、強い馬が彼らに回りすぎている感が否めませんが、その中でもルメール騎手は特に結果を残しています。

勝ち負けで言えばトップジョッキーですので、優秀であることに疑いはありませんが、馬券としてはどうでしょうか?

過去3年間(2017年~2019年)までの彼の成績は以下の通りです。

勝率=25.9%
複勝率=56.3%
単勝回収率=77
複勝回収率=84

勝率が25%を超えていて、騎乗した4回に1回以上が勝ち、複勝率で言えば2回に1回以上3着以内に入るという驚異の成績です。

彼の馬券を連勝系の馬券の軸にすれば、「当たる」という意味では、かなり楽しめるということです。

でも、単勝の回収率いついては、少しですが、平均を下回っています。

これだけ上手くて、馬券に絡んでくれる騎手でも馬券的な旨みはあまりありません。

つまり、多くの人が、

「ルメールだから」とか

「外国人ジョッキーだから」とか

「リーディングトップだから」

という理由で馬券を買っていることが窺えます。

若手ジョッキーの場合

同じ条件で若手のジョッキーを対象に調べてみると、騎手によってかなりばらつきがありました。

例えば、先ほどの例にしたがって、3年前に新人だった、西村淳也騎手の2年間の成績は以下の通りです。

勝率=6.5%
複勝率=22.0%
単勝回収率=86
複勝回収率=93

トップジョッキーに比べて単勝、複勝率は格段に低くなってしまいますが、回収率であれば、優秀といって良いでしょう。

3年間騎手を基準に買い続けるなら、ルメール騎手よりも西村騎手の方が良かった(過去形)ということになります。

別の騎手を見てみましょう。

勝率=5.8%
複勝率=19.4%
単勝回収率=58
複勝回収率=67

4年目の騎手、横山武史騎手の3年間の成績です。

勝率と複勝率は西村騎手とそんなに変わりませんが、回収率はずっと低くなっています。

実は、リーディング下位の騎手は、人によってかなり回収率に差が見られます。

これは、トップジョッキーであれば、強い馬に乗る機会が多く、結果的に成績も安定しやすいですが、リーディング下位、とりわけ新人騎手は人気薄の馬に乗ることが多いため、勝てば回収率が一気に上がります。

逆に言えば、人気薄の馬に乗り続けるために、全く勝てず(当然)回収率は低いままということになりかねません。

したがって、トップジョッキーの回収率が高くないという傾向は信頼できますが、キャリアの浅い騎手やリーディング下位の騎手については、一概に低いから期待値が低いとは言い切れません。

人気騎手と一般的な騎手の違い

新人騎手だとデータ量が少なくて検証としてはあまり信頼できません。

そこで、人気の高い騎手と一般的な騎手の成績をデータ量を多くして比較してみます。

過去11年間(2009年~2019年)の、武豊騎手と柴田善臣騎手の成績を比較します。

人気薄の馬を入れると、数回の勝ちで回収率が大きく変わってしまうので、今回は1番人気から5番人気までに限定しました。

武豊騎手

勝率=17.5%
複勝率=44.1%
単勝回収率=70
複勝回収率=76

 

柴田善臣騎手

勝率=15.3%
複勝率=43.3%
単勝回収率=80
複勝回収率=85

武豊騎手の回収率が低いことが分かります。

勝率自体は高いので、負けているわけではありません。

それでも単勝の回収率が平均の80を大きく下回っているということは、それだけ人気の方が先行している証拠です。

同じ実力の馬に乗っていても、「騎手が武豊だから」という理由で更に購入者が増える場合、オッズが下がるために、当たっても本来得られるよりも低い回収に留まってしまいます。

特に武豊騎手は、競馬の世界では絶対的な存在で、強いカリスマを持っていますから、馬券が多く買われます。

実際、騎手としての腕前はこれまでの成績が物語っていますが、これだけ過剰に買われる傾向があれば、かなり間引いて購入を検討する必要があります。

近年は、外国人ジョッキーが多く、武豊騎手の独断場ではないので、ある程度分散していると推測できますが、人気ジョッキーは、基本的に馬券のうまみを下げる傾向があることは間違いなさそうです。

まとめ

ここでは、代表的な騎手をサンプリングしましたが、競馬では数多くの騎手がいますし、他の要素も絡むので中々正確な判断はできません。

ただ、人気の騎手はそれだけで、馬券を買われる傾向があるのは間違いなく、勝ち馬を予想しようとすると、馬券的にはマイナス材料となります。

これを踏まえると、

「有名な騎手だから買い」という、

誰でも考えそうな判断をすると基本的には勝てなくなりますから、少し考慮すると馬券の成績は上がるはずです。