前回の記事で、人気(オッズ)=実力ではないことを書きました。
具体的な例として、障害レースの実力馬が平場のレースに出走したときのオッズを検証しました。
ただ、こんなのは相当レアで、こんなケースを待っていたら、競馬をする機会自体がなくなってしまいます。
この記事では、普段のレースで実力とオッズがどのように決まるかを具体的な例を挙げて考えてみたいと思います。
馬券を買う決め手は人によって違う
ここでは分かりやすく、選んだ馬が勝つか負けるか、単勝馬券を基本に考えます。
競馬をする人は馬を選ぶ時に競馬新聞を参考にするはずです。
統計を取ったわけではありませんが、9割以上の人が競馬新聞もしくは出馬表を見て馬券を買っていると思います。
では、勝つ馬を予想する時、何を判断材料にしているでしょうか?
少数派な意見として、自分や子供の誕生日とか、馬名がかわいいとか、馬の能力とは関係ない買い方もありますが、
多くの人が過去の着順や走破タイム、騎手、馬場適性など、レースで有利/不利な要素を判断材料にしています。
これらはすべて出馬表で確認できるもので、要は競馬新聞や出馬表に載っている情報で買う/買わないを決めていることになります。
ただ、これらの情報を全て参考にしているか、情報を同じように判断しているかは人によって違います。
例えば、前走1着だったから、今回も勝つだろうと思うか、今度は負けるかもしれないと思うかはその人の主観です。
また、走破タイムは馬券購入の決定打にしている人もいれば、判断材料にしないとか気にしたことが無いとかいう人もいると思います。
馬の人気と実力の関係を考えると、これらの判断材料をどの程度重視するかで、オッズへの影響が変わります。
競馬で勝つためには、これらの判断材料がどの程度オッズに影響を与えているかを掴むのが欠かせないということになります。
判断材料の具体例
更に具体的な話です。
出馬表から読み取れる判断材料の中で、最も多くの人が気にしていて重視しているのは前走の戦績だと思います。
前走で2桁着順なんかで負けていれば、やはり今回も勝てないだろうと思うのが人の心理です。
実際、前走の成績が良い方がオッズも低くなり、勝つ可能性も高くなります。
当然ですよね。
好成績を収めるということは能力が高い証明でもあり、強い馬が勝つのは勝負の原則です。
ただ、回収率を見るとそうではありません。
前走1着~3着の馬よりも掲示板に載る/載らない程度の成績の馬の方が回収率が高い傾向があります。
これは、出馬表を見た時に前走で好走した馬が評価されていて、評価の方が先行していることの証拠です。
つまり、前走で好走している馬は馬券が積極的に買われ、結果的に馬の実力よりも人気が先行しやすいといえます。
ただ、あくまで人気の方が先行しやすいということで、その馬の勝つ可能性が高くなることも事実です。
このあたりが競馬の複雑なところで、前走での好走馬は勝つ可能性が高く、競馬予想の判断基準としては正しいといえます。
当てないと配当を得られないので、前走好走していた馬は買うべきとなりますが、
必要以上の人が買う傾向があるので、最終的には負ける理論で、問題は馬券購入の程度が重要となります。
さらにやっかいなのは、中央競馬ではレースに格付けがあります。
前走の着順といっても、条件戦を1着という場合とグレードレースで1着とでは強さの指標が全く違います。
馬券を買う際も、競馬を少しでも知っていれば、同じ1着とは判断しません。
条件戦で1着の馬とG1で10着の馬とどちらが評価されるのかは微妙です。
それこそ、評価の対象にしない人も含めると捉え方は多様になると思います。
おわりに
このように、前走の着順だけをピックアップしても、人の考えが個別に反映される仕組みのせいで、かなり複雑です。
この点が機械であるパチンコやスロットとは大きく異なります。
人を介するギャンブルは格段に難しく、競馬で継続的に稼いでいる人をほとんど聞かないのはこういったところに理由がありそうです。
次の記事では、他の判断基準にも焦点を当てて、競馬で勝つためのヒントに迫ってみます。