ギャンブル依存症の解決方法からは少し外れるかもしれませんが、わりとこの問題に悩む人は、借金の問題とは切り離せない立場だと思います。
要は、使ってはいけないお金をギャンブルに使ってしまうわけで、罪悪感や隠し事といったネガティブな心理もかなりストレスになっているはずです。
今回は、ギャンブルの借金について思うところを書いてみます。
手元のお金はあなたのものではない
借金の怖いところは、そのお金が手元にあると、人のお金と思えなくなるところです。
今、深刻な金額の借金がある人でも、手元に10万円があると、それが借金とは思えないでしょう?
理屈では、
「返さなきゃ!」ですが、いざ、手元にあると
「返すのが惜しい」となってしまいます。
一度得たものは、自分の所有という状態ですから、それを手放すのは、自分のものを取り上げられるイメージに変わります。
この心理はやっかいで、手元に借金の10万円があれば、そのまま返すのが惜しくなり、少し増やして、「得をした状態で返したい」となってしまいます。
ギャンブルで借金をする人は、ギャンブルを通じて「増える」可能性を知っていますから、手持ちのお金をリスクに晒します。
ギャンブルの勝ち方を知らないので、お金を減らしてしまうのは当然で、これを繰り返して借金がどんどん増えていきます。
こうなると最悪です。
借金が大きくなると、大きなリターンを狙いますから、更にマイナスが加速します。
ついでに借金には「金利」もありますから、これも付いてきて、火の車という状況に陥るのです。
この記事を読んでくれている人は、もう既にそういう状態かもしれませんが、悩んでいても始まらないので、とにかく対処しましょう。
とりあえず、借金のある人は、手元のお金が、「自分のもの」と思うのをやめましょう。
まずはそこからです。
返すまではぜいたくしない
僕の知り合いで、借金をしていた人がいます。
理由は聞いても細かくは教えてくれませんでしたが、多少のギャンブルは絡んでいたと思います。
その人は、借金を完済しました。
ただ、返す道のりは、かなり厳しくて、その当時、僕は気付いていませんでしたが、後になって聞くと、かなりハードな生活でした。
例えば、食事。
昼ごはんは基本、「抜き」です。
職場では、みんながご飯を買いにいく中、1人で外に出て、何も食べずに戻ります。
また、ランチや晩ご飯など、食事に誘われても、食欲が無いとか、仕事が残っているからと、何らかの理由をつけて断ります。
毎日のご飯は、スーパーの半額になる時間を狙って、惣菜を買う程度で、お茶やコーヒーなんかは当然我慢です。
僕が遊びに行ったときには、「お金が無い」とは言っていましたが、まさか借金の返済中とは思っていませんでした。
でも、そんな生活を2年続けて、数百万円の借金を見事に返しました。
今でもお金にゆとりのある生活ではありませんが、まあ、普通の生活をしています。
もし、あの時2年間の我慢が無かったら、今でも借金が続いていて、人並みの生活は送れていないと思います。
借金を返すのは、大変なことなのだと、人事ながら思いましたし、苦しい生活を続けた彼を尊敬もしました。
お金を借りた理由ははっきりしませんが、お金のない生活を続けてけじめをつけたのですから、それだけですごくないですか?
お金を借りるということは、それなりの代償は払わなければならないというお話でした。
あなたはどうですか?
「今日は勝ったから、豪華な晩ご飯を」とか、
「今の内にタバコを1カートン買っておこう」などと、借金をしている身分で思ったりしてませんか?
借金を返すまでは一切のぜいたくは禁止です。
そんな考えでは借金は返せませんし、減りもしません。
手元のお金は人のお金です。
あなたは、借りたお金を自分のぜいたくに使うんですか?
貸したのがあなた自身ならどう思いますかね?
借金があるとギャンブルの勝ちは消える
借金に利息がなければ、わりと話が簡単です。
ギャンブルで勝てなくても、負けなければ、月の給料の一部を返済に回せば、いずれ借金は無くなります。
でも、借金には金利があります。
借りた金額にもよりますが、無条件に金利分はマイナスですから、借金のない人よりギャンブルのハードルも高くなります。
月に1万円の金利が発生しているなら、給料が1万円下がっているのと同じで、ギャンブルが勝ち負け無しでも、負けているのと同じことです。
たかが月に1万円といっても、年間で12万円です。
ただでさえギャンブルで勝てないのですから、さらに月に1万円のマイナスを背負い込んだら、借金は増え続けるに決まっています。
ギャンブルでのハードルを下げるためにも、最優先なのは、借りたお金を返すことです。
借金をしていない人間からすると、何も対価がないのにお金を取られるなんて、かなりバカみたいな状況ですよ。
月に1万円払えば、中古の安い車くらい買えますからね。
それが、何も得ていない、何も身に付いていないのに、お金を支払うなんて、あなたは相当お人よしですね。
早く返しましょう。
見栄を張らない
ギャンブル依存の傾向が強い人の特徴に、「見栄っ張り」もありますね。
借金をしているのが知られたくないから見栄を張るのか、見栄を張るから借金をするのか、良く分かりませんが、「良いカッコしい」も借金する人に多い気がします。
ギャンブル依存症の治療では、自分が依存症だと自覚したくない心理が指摘され、まずは、周囲に打ち明けることを勧めていますが、これは同意です。
見栄を張って、「大して負けていない」とか「借金はしていない」という嘘は、状況を悪くしますから。
負けるとか、お金を借りるというネガティブなイメージは中々周りに伝えにくいですが、周りが知っていれば、少なくとも見栄を張ってお金が出ていく機会は無くなります。
借金までしてしまっているのであれば、あなたが周りにどう思われるかなんて、どうでも良いことです。
これも知人の話ですが、パチンコで借金があったことを途中まで一切漏らさず、最終的に会社のお金に手をつけて、結局退職しました。
結局全員が知ることになった上に、お金もすべて失い、優しそうな奥さんと、かわいい子供さんがいましたがどうなったかは知りません。
誰もあなたに、「お金に余裕がある」とか、「ギャンブルで勝ってる」ことを期待していませんから、現状を認めて、つまらない見栄を張るのはやめましょう。
まとめ
ギャンブル依存症の借金について思うことでした。
ギャンブル依存症は、最終的にはお金の不足が問題になります。
借金は、あるだけで無条件に収支的な不利をもたらしますから、もし借金があるなら、とにかく早い段階で返さなくてはなりません。
人並みの生活を取り戻したいなら、手元のお金は人のお金であることを忘れず、一切のぜいたくをしないくらいの覚悟で一日でも早く返しましょう。
そのためにも、自分のお金に関する状況を周りの人に打ち明けることも考えてみてください。
きっとあなたのために力になってくれる人がいるはずです。